新着情報
放置車両は危険!廃車にする方法と費用・手順を専門家が徹底解説
「乗らない車をそのまま放置している」「私有地に知らない車が勝手に停められて困っている」――こんな状況は意外と多いものです。車を動かさないまま放置すると、税金や保険の支払いが続いて家計の負担になるだけでなく、知らず知らずのうちに法律トラブルに巻き込まれる可能性もあります。実は、他人の車が私有地に放置されていても、勝手に処分することは簡単ではありません。
本記事では、車を放置しておくことのリスクや、廃車・撤去の正しい手順を法律と費用面の両面からわかりやすく解説します。もし「もう使わない車がある」「誰かに無断駐車されて困っている」という方は、ぜひ参考にしていただき、不要なトラブルや余計なコストを防ぎましょう。
放置車両の定義と放置するリスク
放置車両とは?
「放置車両」と聞くと、道路や私有地に勝手に停められた車を想像する方も多いかもしれません。しかし、実は自分自身が所有する車を長期間動かさずに放置している状態も含まれます。
- 他人の車が勝手に駐車されているケース:私有地や月極駐車場などのスペースに、所有者不明の車が何日も放置されている状態
- 自分の車を長期間動かしていないケース:転勤・海外出張・買い替えなどを理由に、廃車手続きせずに放置し続けている状態
いずれの場合も、維持費や法的リスクが発生する点に注意が必要です。
リスク1:税金・保険料など無駄な維持費がかかる
自分の車を放置している場合、自動車税・重量税・自賠責保険などの支払いは基本的に続きます。乗っていなくても、名義を残したままでは維持費が発生し続けるため、結果的に家計を圧迫してしまいかねません。
他人の車が放置されているケースでも、その土地の管理者・オーナーが撤去作業や裁判などにかかる諸費用を一時的に負担する可能性があります。後から請求できる場合もありますが、立て替え費用や手続きの手間がかかる点は無視できません。
リスク2:車両の劣化や盗難・不法侵入などのトラブル
長期間使われていない車は、バッテリー上がり、エンジンやタイヤの劣化、サビの発生などが進行しやすくなります。特に野ざらし状態であれば、雨漏りや動物の住み着きなど、予期しない劣化が起きる可能性も高いです。
また、無断で停められている車の場合は、車内にゴミが溜まって悪臭が発生したり、部品が盗まれるといったトラブルに発展することもあります。管理者や近隣住民にとって大きなストレスとなるでしょう。
リスク3:法律トラブル(勝手に撤去した場合のリスクなど)
他人の車を所有者の承諾なく勝手に動かすことは、原則として違法です。法律上、「自力救済の禁止」という原則があり、たとえ自分の土地であっても裁判手続きや公的手続きを踏まずに車を処分・廃車にするのはトラブルのもとになります。
- 自分の車の場合:廃車手続きや名義変更を行わずに放置すると、税金を払い続けるだけでなく、何かの拍子で交通事故などに関与した場合、責任所在が不明瞭になる可能性も。
- 他人の車の場合:警察が介入できるケースにも限界があり、早々に撤去ができないことも。無断でレッカー移動をした結果、損害賠償を請求されるおそれもあります。
このように放置車両は、単に「邪魔だ」「使わないから」というだけで済む問題ではありません。次章以降では、具体的な対処法や手続きの流れについて詳しく解説していきます。
自分の車を放置したままにする場合の対処法
放置前に知っておきたい手続きの選択肢
自分の車を「いつか乗るかもしれない」と思い、曖昧なまま放置しているケースは意外と多いものです。ですが、そのまま維持費を払い続けるのはもったいないため、以下の手続きのいずれかを検討しましょう。
-
一時抹消登録
- 「将来的には再び乗るかもしれない」場合におすすめ
- 自動車税・自賠責保険の支払いがストップできる
- 再登録手続きで再び乗れるようになる(ナンバーは新しくなる)
-
永久抹消登録(廃車手続き)
- 「もう乗らないし売る予定もない」場合におすすめ
- 文字どおり車籍を抹消し、その車を公道で使うことはできなくなる
- 自動車リサイクル法に基づき、適正に解体・処分を行う
どちらを選ぶかの目安
- 乗るかどうか曖昧な場合 → 一時抹消登録をして様子見(維持費セーブ)
- 絶対に乗らない場合 → 永久抹消で確実に処分し、コストをゼロに
手続きに必要な書類・費用の概算
共通で必要になる可能性がある書類
- 車検証
- ナンバープレート(前後2枚)
- 自動車リサイクル券(ある場合)
- 印鑑証明書または住民票
- 委任状(業者に代行を依頼する場合)
費用の目安
- 一時抹消登録:数百円〜(印紙代など)
- 永久抹消登録:数百円〜(印紙代)+ 解体費用(車種や状態による)
業者に依頼すると、手続き代行手数料がかかる場合がありますが、車の状態によっては「買い取り」として費用がかからないケースもあるので、複数の業者から見積もりを取って比較するとよいでしょう。
長期間放置した車を処分する際の注意点
-
バッテリーやエンジンのトラブル
- いきなりエンジンがかからない、パーツが腐食しているなどの問題が発生しやすい
- 自走不可のケースはレッカー移動費用が必要
-
車内のカビ・悪臭対策
- 屋外放置で水分がたまると、車内がカビ臭くなる
- 買取査定や廃車引取時に大きくマイナス要因になる可能性も
-
書類紛失のリスク
- 車検証やナンバープレートを紛失すると、手続きが複雑になる
- 時間と手間、追加費用がかかるので、保管状況を改めてチェック
業者依頼のメリット
- 面倒な手続きを丸ごと代行
自分で陸運局などに足を運ぶ必要がないため、時間を節約できる。 - 引き取り無料や買取も期待できる
稀に動かない車でもパーツや鉄スクラップ代金で査定額がつく場合あり。 - 不用品処分と同時に済ませられることも
車内に不要品があれば処分相談ができる業者もある。
こうした手段を使えば、家の駐車場や倉庫で眠っている放置車両をスムーズに処分できます。「とりあえずまだ乗るかもしれない」と放置しておくより、一度この機会にしっかり検討してみるのがおすすめです。
他人の車が放置されている場合(私有地など)の対処法
勝手に撤去できない理由 ——「自力救済の禁止」
自分の所有地や駐車場に、見知らぬ車が無断で停められていると非常に困ります。しかし、たとえ「自分の土地であり迷惑である」場合でも、法律上は車を勝手に動かしたり廃車にしたりできないのが原則です。
これは「自力救済の禁止」という考え方によるもの。裁判所や警察などの公的機関を通さずに、自己判断で他人の権利を侵害できないというルールです。
もし車をレッカー移動して損傷させたり、所有者の許可なく廃車手続きを進めたりすると、所有者から損害賠償を請求されるリスクもあるため注意が必要です。
放置車両を撤去するまでの基本的な流れ
無断駐車や放置車両を合法的に撤去するには、以下のステップを踏むのが一般的です。
-
証拠資料を揃える
- 車両の状態やナンバー、駐車している状況を写真撮影する
- 放置期間を記録(○月○日から動かない、貼り紙の有無など)
-
警察に連絡
- 窃盗車両や犯罪に関わる可能性を警察が確認してくれる
- ただし、一般的には「民事不介入」のため、警察が直接撤去してくれるわけではない
-
車両の所有者を調べる
- 警察に協力を仰ぎ、ナンバーから所有者を特定してもらう場合が多い
- 自分で運輸支局に照会する方法もあるが、原則として個人情報保護の観点から難しい
-
所有者に連絡し、撤去を促す
- 電話や書面で「何日の何時までに撤去してほしい」と通知
- 一般的には、車両所有者が自主的に移動するのが理想
-
所有者が応じない場合は法的手段を検討
- 裁判所の強制執行申立や弁護士の助言を得る
- 時間と費用がかかるため、早めに専門家へ相談するとスムーズ
撤去費用と負担のポイント
レッカー移動や廃車などの実費は、本来車の所有者側が負担すべきです。とはいえ、所有者が支払いに応じなければ、所有地の管理者・オーナーが一時的に立て替えざるを得ないケースも少なくありません。
さらに、所有者との連絡が取れず、裁判を起こして強制執行をする場合は、裁判費用や弁護士費用がかかる可能性が高いです。結果的に「手間もコストも大きくかかる」ため、早めに手を打つことが大切です。
注意点とトラブルを回避するための工夫
- 通告・貼り紙をして証拠を残す
何もしないまま放置すると、相手から「知らなかった」「連絡がなかった」と主張される恐れがあります。日時を記録し、張り紙や通知書のコピーを保管しましょう。 - 監視カメラや警告表示を設置する
放置車両対策に効果的。事前警告を行うことで「うっかり駐車」を防ぎ、トラブルが起きた際にも説得力を持たせられます。 - 弁護士への相談を検討する
交渉や法的手段に詳しい専門家のサポートを受ければ、後々の紛争リスクを最小限に抑えられます。
「他人の車が勝手に放置されている」状況はストレスフルなうえ、法律に触れやすい問題です。まずは警察や自治体、あるいは専門家に相談して、正しい手順を踏みながら解決を目指すことが大切です。
廃車業者・買取業者に依頼するメリットと選び方
「乗らない車を放置している」「私有地に放置された車を撤去したい」といったケースでは、廃車・買取の専門業者に依頼することを検討するのも一つの方法です。以下では、そうした業者を利用するメリットと、信頼できる業者を見極めるためのポイントを紹介します。
業者に依頼する主なメリット
-
手続きを代行してくれる
自分で抹消登録や解体手続きを行うには、陸運局や解体業者などへ足を運ぶ必要があります。書類不備があれば余計に時間と手間がかかるもの。専門業者なら、必要書類をそろえるところから手続き完了までサポートしてもらえるため、一括で手間を省けるのが大きなメリットです。 -
レッカー移動・引き取り費用が無料または安く済む場合も
自走不可の車でも、廃車業者であればレッカー移動費や引き取り費をサービスとして行っているところが多いです。状態によっては買い取り価格が付くこともあり、トータルのコストを抑えることができます。 -
迅速に処分できる
業者はノウハウと設備を備えているので、問い合わせから撤去・手続きまでがスピーディです。早めに対応してくれる業者を見つければ、放置問題を短期間で解決できる可能性が高まります。
業者選びのポイント
-
適正な許可や資格を持っているか
- 自動車リサイクル法に基づく許可(解体業・破砕業など)を取得しているか
- 古物商許可の有無(車両買取の場合、古物商許可が必要)
-
費用・サービス内容が明確か
- レッカー費用や手数料などが“すべて込み”か、“後から追加請求”があるのか
- キャンセル料や見積もり方法など、不明瞭な点があれば事前に確認する
-
評判・口コミのチェック
- ウェブサイトやクチコミサイトで実際の利用者の声を調べる
- 「対応が遅い」「連絡がつかない」などのネガティブ要素がないかチェック
-
担当者の対応が誠実かどうか
- 電話やメールでの問い合わせ時に、丁寧かつ具体的な説明があるか
- 過剰な営業や不安をあおるような言動はないか
車両状態によっては「買取」も可能な場合
- 不動車・事故車でも値段が付くことがある
車種や年式、パーツの需要によっては、たとえ動かなくても一定の査定額が付くことがあります。海外輸出や部品取り車としての価値があるからです。 - 高年式の車や人気モデルは高額査定が期待できる
年式が新しい車や需要が高い車種は、リセールバリューが高い場合があります。廃車手続きする前に、一度見積もりを取ってみると意外な値段が付くことも。
トラブルを防ぐために
- 書類や契約内容を確認したうえで依頼する
代行手続きの内容や費用、引き取り日時など、すべて書面またはメールなど記録が残る形で確認し合いましょう。口頭だけのやり取りだと、後々「言った・言わない」のトラブルが起きやすくなります。 - 万が一の対応策を事前に確認
車の所有者と連絡が取れなくなった場合、キャンセルしたい場合など、イレギュラーが発生したときの対応方針を聞いておくと安心です。
専門業者に依頼することで、自分であれこれ手続きを調べる手間が大幅に省けるのが最大の魅力です。放置車両に関する悩みを一刻も早く解決したい方は、信頼できる廃車・買取業者を活用するのも選択肢のひとつです。
【専門家視点】トラブルを避けるために注意すべきこと
放置車両にまつわる問題は、税金や保険料の無駄、財産権の侵害、法律上のリスクなど多岐にわたります。ここでは、実際にトラブルを回避するために押さえておきたいポイントを、専門家視点で整理してみましょう。
書面でやりとりを残す
口頭や電話だけでやりとりをしていると、後で「言った・言わない」の争いに発展しがちです。
- 他人の車が放置されている場合:書面やメールで「何日までに撤去してほしい」と通知し、コピーや送付履歴を保管しておくと安心です。
- 自分の車を廃車にする場合:業者との契約内容や費用について、見積もり書や契約書をきちんと取り交わしましょう。
公的機関や専門家に早めに相談する
- 警察への連絡
「所有者が不明な車が放置されている」「犯罪に使われた可能性がある」など、すぐにでも確認をとるべき事項があれば迷わず警察に相談を。警察は車両照会や犯罪性の有無を判断できます。 - 自治体や弁護士への相談
地方自治体によっては、放置車両や無断駐車に対する独自の条例や支援制度がある場合があります。また、事態が深刻化しそうなときは早い段階で弁護士に相談することで、無駄な出費や時間ロスを回避しやすくなります。
地域の条例・駐車場法を確認する
放置車両の扱いは、道路交通法や民法のほかに、地域独自の条例で細かく定められている場合があります。例えば、自治体によっては私有地内の不法駐車に対する対処手続きが明文化されているケースも。
- 事前に自治体のWebサイトや窓口で確認し、必要に応じて相談しましょう。
- 駐車場法が適用される駐車場では、利用規約の定めや保管責任との兼ね合いで追加の手順が発生することもあります。
交渉が難航する場合は法的手段の検討を
- 内容証明郵便の送付
相手に対して正式な文書で通知する方法。訴訟前の最終ステップとして用いられることが多く、相手へプレッシャーを与える効果があります。 - 裁判所への強制執行申立
相手がまったく応じない場合、裁判を経て強制執行という形で車を撤去させる方法も。ただし費用や時間がかかるため、早めの弁護士相談が必須となります。
道路交通法や自動車リサイクル法の基本を把握しておく
- 道路交通法
道路や公道に無断放置された車両は、原則として「放置違反」として罰金・減点などの対象になる場合があります。私有地でも敷地の状況によっては道路とみなされるケースがあるため、注意が必要です。 - 自動車リサイクル法
車を廃棄する際には、適切な方法で解体・リサイクルしないと違法となる場合があります。業者選びの際は、自動車リサイクル法の許可を得ているかを必ず確認しましょう。
トラブルを避けるカギは、書類や手続きをきちんと行い、早めに公的機関や専門家の力を借りることです。放置車両をめぐっては感情的な対立や思わぬ費用負担に陥りやすいため、冷静にルールと手順を踏んで対応しましょう。
まとめ
車を放置したままにすると、維持費の無駄や車両劣化など経済的損失が発生するだけでなく、法律的なリスクにも直結してしまいます。自分の車であれば、一時抹消や永久抹消登録を検討し、早めに廃車や買取業者に相談して余計なコストを抑えるのが賢明です。
一方、自分の土地に勝手に放置されている車を見つけた場合は、自力救済の禁止という法律原則を理解した上で、
- 警察への連絡
- 所有者の特定
- 期限を伝えて撤去要請
- 応じない場合は法的手続き
といった手順を踏む必要があります。時間も手間もかかりますが、ルールを守らずに無断撤去や廃車を行えば、かえって訴訟リスクを背負うことになりかねません。
「そもそも乗っていない車は、早めに廃車手続きをする」「放置車両があるなら警察・専門家に早めに相談する」――これらの行動が、費用面・トラブル回避の両面で大きなメリットをもたらします。結局のところ、放置し続けることにメリットはほとんどないのです。
ぜひ今回紹介した内容を参考に、適切な手段で車の処分や撤去に踏み切り、余計なストレスを抱えずに済むようにしましょう。