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車のへこみは買取査定にどう影響する?修理するか迷ったときの正しい判断基準とは
車の売却を検討しているとき、ボディに小さなへこみがあるだけで「査定額が大きく下がるのではないか」と不安になる方は少なくありません。実際に、車の状態は査定金額に直結するため、見た目の傷やへこみがどの程度評価に影響するのかを知っておくことは非常に重要です。
しかし、へこみのある車を修理してから売るべきかどうかは、ケースによって判断が分かれます。修理にかかる費用よりも、査定時の減額幅が小さい場合には、むしろ修理しないほうが損をしない選択になることもあります。
この記事では、車のへこみが買取査定に与える影響と、修理の要否を判断するための具体的な基準や方法を丁寧に解説します。さらに、実際の減額例や修理費の相場、失敗しやすいポイントまで踏み込んで紹介しています。
「査定に出す前に修理すべきか迷っている」「できるだけ高く売却したい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
車にへこみがあると査定額はどれくらい下がるのか?
車の売却にあたって、多くの方が気にするのが「へこみや傷が査定額にどの程度影響するのか」という点です。査定では、車両の状態、走行距離、年式、装備などさまざまな要素が評価されますが、その中でも外装の損傷は見た目の印象だけでなく、再販コストに直結する要素として重視されます。
査定時に見られる外装評価のポイント
多くの買取業者は、JAAI(一般財団法人日本自動車査定協会)の基準や、業者独自のチェック項目に基づいて査定を行います。外装に関しては以下のようなポイントを中心に減点評価されます。
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へこみの大きさ
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へこみの深さ
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へこみの場所(部位)
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塗装の剥がれや傷との併発
へこみは、たとえ小さなものであっても「板金修理が必要」と判断されれば、減額対象となるケースがほとんどです。
へこみの大きさ別・減額の目安
へこみの大きさ | 減額の目安 | 備考 |
---|---|---|
5cm未満の軽微なへこみ | 約5,000円〜10,000円 | 小さなドアパンチなど |
10〜20cm程度の中程度 | 約10,000円〜30,000円 | ドアやフェンダーなど |
20cm超の大きなへこみ | 約30,000円〜50,000円以上 | 板金交換レベルになることも |
このように、へこみの大きさが査定に与える影響は大きく、目視で確認できるレベルの損傷は基本的にマイナス評価となります。
へこみのある部位によっても査定の影響は異なる
査定額への影響は、へこみの部位によっても変わります。以下は特に影響の大きい部位です。
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ドア(運転席・助手席):視認性が高く、再販時の印象に直結
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フロントバンパー・リアバンパー:事故歴の可能性も含めて慎重に評価される
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フェンダーやボンネット:交換対応になると高額な減額の原因に
逆に、サイドスカートや屋根などの目立ちにくい箇所は、比較的影響が小さいこともあります。ただし、「へこみがあること自体が減額対象」となるため、過信は禁物です。
査定前にへこみを修理すべきか?判断のポイント
車のへこみを修理してから売却すべきか、それとも現状のまま査定に出すべきか――これは非常に悩ましい問題です。修理には費用と手間がかかる一方で、査定額がどれほど変動するかは不確実なため、事前に損得を冷静に見極めることが重要です。
ここでは、修理の要否を判断するために押さえるべき実務的なポイントを解説します。
まず「修理費」と「査定での減額幅」を比較する
判断の基本は、修理にかかる費用と、修理せずに査定に出した場合の減額幅を比較することです。
以下に、実際の査定現場でよくあるケースを想定した比較表を示します。
状況 | 修理費用(概算) | 査定時の減額幅(目安) | 判断の目安 |
---|---|---|---|
ドアに5cmのへこみ | 約12,000円 | 約8,000円 | 修理しない方が得 |
フロントバンパーに15cmのへこみ | 約25,000円 | 約35,000円 | 修理した方が得 |
リアフェンダーに複数のへこみ | 約45,000円 | 約40,000円 | 状況次第で判断 |
このように、修理費用の方が高い場合は、そのまま売却した方がコストを抑えられることがあります。
修理の程度によっても損得は変わる
修理には、以下の2パターンがあります。
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簡易修理(デントリペア)
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費用:5,000〜20,000円程度
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特徴:塗装をせずにへこみだけを整えるため、車両価値への影響が少ない
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板金・再塗装修理
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費用:20,000〜50,000円以上
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特徴:修理跡が目立つと「事故歴」と誤解される恐れも
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修理の質や仕上がり次第で、逆に査定評価が下がることもあるため、安易に高額な修理に踏み切るのはリスクを伴います。
まずは“修理せずに”査定を受けるのが基本
実は、買取業者の中には「軽微な外装不良には厳しく減額しない」とするところも存在します。なぜなら、再販時に整備・板金を自社対応できる体制を持っているからです。
そのため、まずは現状のままで査定を受け、実際の減額幅を確認するのが最も合理的なアプローチです。その後、必要に応じて修理を検討することで、無駄な出費を防げます。
へこみを修理するメリットとデメリット
車の査定前にへこみを修理するべきかどうかを考えるうえで、修理によって得られるメリットと、修理に伴うリスクやデメリットの両面を知っておくことが大切です。ここでは、修理を行うことで得られる可能性のある利点と、注意すべき落とし穴について整理します。
修理するメリット
1. 査定額の減額を抑えられる可能性がある
明らかな外装ダメージがなくなることで、見た目の印象が良くなり、買取価格のマイナス評価が減る場合があります。とくに車両本体の価値が高い車(高年式・人気モデル)ほど、修理による査定へのプラス効果が出やすい傾向があります。
2. 再販時の印象が向上し、交渉材料になりやすい
買取店や中古車販売業者は、車両を再販する際の「見た目」を重視します。へこみのない車は「丁寧に乗られていた印象」を与えやすく、買取側が再販リスクを低く見積もる=価格が安定しやすいという面もあります。
3. 自己判断よりも“きれいな状態”の方が安心
車の状態に不安があるまま査定に出すのは、精神的なストレスにもつながります。修理しておけば、「これ以上は下がらないだろう」という安心材料になるのもメリットの一つです。
修理するデメリット
1. 修理費用の方が高くつくリスク
もっとも大きな懸念は、修理費用が査定アップ幅を上回ってしまうことです。とくに板金塗装が必要な場合は、数万円単位の出費になりかねず、コストパフォーマンスが悪くなる可能性があります。
2. 修理跡が査定でマイナス評価になることも
修理の質が低い場合や、色ムラ・修復歴の疑いが残る仕上がりになると、かえって「事故歴あり」と判断され、査定が下がることがあるため注意が必要です。
3. 修理の手間と時間がかかる
修理業者に依頼し、見積もり・入庫・引き取りなどの手間が発生します。急ぎで売却したい方や時間が取れない方にとっては大きな負担になる場合もあります。
このように、修理には一定のメリットがある一方で、費用対効果とリスクを天秤にかけたうえでの慎重な判断が求められます。
へこみ修理で査定アップに成功した実例
ここでは、実際にへこみを修理してから車を売却し、査定額が向上した実際のケースを紹介します。理論だけでなく、具体的な成功事例を知ることで、自身の判断にも役立てられるはずです。
事例①:5年落ち国産SUV(トヨタ・ハリアー)
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車種・年式:トヨタ ハリアー/2018年式
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状態:左リアドアに約10cmのへこみ(塗装剥がれなし)
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修理内容:デントリペア(簡易へこみ修理)
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修理費用:15,000円
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査定結果:修理前:135万円 → 修理後:141万円
査定額アップ:+6万円
➡ デントリペアで低コストに修復できたことが評価され、外観の印象が改善された結果、複数社で査定額が上振れした。
事例②:軽自動車(スズキ・ワゴンR)
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車種・年式:スズキ ワゴンR/2015年式
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状態:フロントバンパーに20cm超のへこみ+塗装ハゲ
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修理内容:板金塗装による補修
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修理費用:42,000円
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査定結果:修理前:24万円 → 修理後:26万円
査定額アップ:+2万円
➡ 一見成功のように見えるが、修理費用が査定アップ額を上回っており、金銭的には赤字。ただし、精神的満足度や売却後のトラブル回避という点で一定の効果はあった。
事例③:輸入車(BMW 3シリーズ)
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車種・年式:BMW 320i/2020年式
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状態:ボンネットに5cmの浅いへこみ
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修理内容:未修理のまま査定へ
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査定結果:査定時に「自社で補修対応可能」とされ、減額なしで買取成立
➡ 高年式の輸入車でありながら、外装の軽微なへこみが査定額に反映されなかった例。このように、業者によっては現状のままでも減額しない判断をすることがある。
このように、へこみの程度・修理内容・車種・年式・買取業者の方針によって査定結果は大きく異なります。一概に「修理すべき」と断定できないからこそ、ケースバイケースでの判断が不可欠です。
査定・修理でよくある失敗例と注意点
車のへこみに対して修理や査定対応を行う際、十分な情報や判断基準がないまま行動すると、損をする可能性が高まります。ここでは、実際によくある失敗パターンと、それを防ぐための注意点を解説します。
失敗例①:高額な修理をしても査定額が思ったほど上がらない
ありがちなケースとして、「数万円かけて板金塗装を行ったのに、査定では+1万円程度しか評価されなかった」というものがあります。これは以下のような原因によって起こります。
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修理箇所があまり目立たない場所だった
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査定額がそもそも修理前提の価格設定だった
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複数の業者から見積もりを取らず、価格競争が働かなかった
➡ 修理コストの回収ができない場合は、むしろ損失になります。事前に減額幅を把握してから判断しましょう。
失敗例②:粗悪な修理で逆にマイナス査定に
安価な修理業者を利用して、塗装ムラやパテ跡が残るような修理を施してしまったケースも注意が必要です。買取業者はプロの目で状態をチェックするため、修復の形跡が残っていると次のような判断が下されることがあります。
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「事故歴あり」と評価され、減額対象に
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修理が必要な車とみなされ、再販価格が下がる
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信用低下により、全体的な評価が下がる
➡ 修理を依頼する場合は、信頼できる業者選びと、修理内容の明確な確認が必須です。
失敗例③:「へこみがあるから売れない」と決めつけて放置
軽微なへこみがあることを理由に、「売却できないだろう」と考えて車を放置してしまう人も少なくありません。しかし、中古車市場では多少の損傷があっても十分に価値がある車は多く存在します。
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査定は業者によって判断基準が異なる
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軽微な傷を気にしない顧客層向けの販売ルートもある
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相場変動や時間経過によって、価値が下がっていく方がリスク
➡ 自己判断で放置するよりも、まずは査定を受けることで現実的な価値を把握することが先決です。
注意点まとめ
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修理前に「査定シミュレーション」や「複数業者の査定」を受ける
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修理は必要最小限・信頼できる業者で行う
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修理履歴の申告義務がある場合は正直に伝える(後のトラブル防止のため)
これらの失敗例を踏まえて、事前準備と慎重な判断が損失回避につながることを意識してください。
まとめ・次にやるべきこと
車のへこみが買取査定に与える影響は、へこみの大きさや場所、車種や年式、そして買取業者の査定基準によって大きく異なります。そのため、「へこみがあるから必ず査定額が大幅に下がる」「必ず修理すべき」という単純な結論には至りません。
本記事で解説したように、重要なのは修理費用と査定減額のバランスを正しく見極めることです。修理費が査定アップ額を上回る場合は、修理せず現状のまま査定を受けたほうが賢明です。また、複数の買取業者に査定を依頼することで、相場感や減額幅を正確に把握できます。
修理を選択する場合は、信頼できる業者に依頼し、仕上がりや修復歴に注意しましょう。安易なDIYや粗悪な修理は逆効果となるリスクがあります。
次にやるべきこと
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修理せずに複数社から査定を受け、減額幅を把握する
ネットの一括査定サービスや地元の買取店を利用して、現状の車の価値を確認しましょう。 -
修理見積もりを複数の修理工場で取る
できるだけ正確な費用を把握し、査定減額と比較検討してください。 -
コストと効果を冷静に比較し、修理の有無を決める
損をしない判断が重要です。 -
売却の際は査定時の情報を正確に伝え、トラブルを避ける
修復歴や修理内容の申告は必須です。
これらのステップを踏むことで、無駄な出費を防ぎ、できるだけ高く納得のいく売却を実現できます。
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